スポーツ漫画でよく見る「ゾーン」って結局なんなの！？

皆さんはスポーツ漫画で「ゾーンに入った」なんて台詞を聞きませんか？

『なんかようわからんけどリミッター解除されたみたいな状態やろ？覚醒イベやろ？』

みたいに思っている方も多いかも知れませんが、実は現実のスポーツ医学でも研究が進んでいて現在ではそのメソッドもかなり解明されています。

心と体が完全に一致したとか言うけど結局何なのか？

ゾーンとはどのような状態でどんな方法で入るのか？？

有名な漫画のシーン等を交えて解説していきます

ゾーンとは変性意識状態（トランス）の一種

変性意識状態とは簡単に言うと通常の意識ではない状態のことです。

例えばお酒に酔った状態も変性意識状態の一種です。

でもゾーンと酔った状態は全く違いますよね？ですから『ゾーン＝酔っている』ではもちろんありません。

脳の状態としては『起きていながら覚醒時におけるβ波が出ていない状態』です。

変性意識状態によく起きる事は

・幻覚、幻聴

・俯瞰視点

・過度な集中力

・時間感覚が狂う（オーバークロック状態）

・異常な自信

・痛みからの解放

等です

ゾーン体験者がよく言う話とほぼ一致します。

ある者はマラソン中にその入り口（※ランナーズハイ）に至り、ある者は自傷行為や薬草などを焚いてお告げを聞いたりする時に変性意識状態に入り込んでいます。

※ランナーズハイは以前は「α波」と「βエンドルフィン」によって起きているとう説が有力でしたが、最近では「内在性※カンナビノイドの一種アナンダミド」と言う神経伝達物質の効果で痛みやストレス耐性が強化されている状態だというのが有力だそうです。

※カンナビノイド・・・大きな麻の葉の成分だよ！！

▲ 喧嘩商売（喧嘩稼業）のヘヴィ級ボクサー石橋強は苦痛をうけることによって変性意識状態に入るマゾヒストだ。

入眠時の浮遊感、感覚麻痺感の現象が似ていると言われますがこれは入眠時幻覚や睡眠麻痺（ナルコレプシー関連）の症状と言えます。

通常入眠時にはまずノンレム睡眠から入りその後交互にレム睡眠と入れ替わりますが、稀に入眠時にいきなりレム睡眠に入ってしまう事がありそれを「入眠期レム睡眠」と呼びます。

この状態では脳がまだ覚醒状態に近いため本当は寝ているのですが起きていると錯覚し、筋肉の弛緩により麻痺を体験します。

またこの症状に陥る方は入眠時幻覚（入眠期レム睡眠時に見る夢）という異常にリアリティのある夢を見やすいと言われています。

入眠期レム睡眠はθ波（シータ波）が出ておりお幻覚も見やすい状態ですから瞑想状態に近いと言われれば近いとも言えますね。

ちなみに幼少期の子供が「イマジナリーフレンド」を作ったり大人には見えない何かを見る体験をするのは平均して4歳くらいまでの子供はθ波脳だからなんだとか。

意図的に変性意識状態に入る方法とは？

人類は過去様々な方法で変性意識状態に入る事を試みています。

例えば修験者や坊さんは瞑想やクンダリーニヨガ等を行うことでその境地に達していますが・・・彼らは皆神秘体験を口にします、それは何故でしょうか？

苦行はA１０神経を刺激しβエンドルフィンを分泌させることに繋がりますし、瞑想やクンダリーニヨガは呼吸法やイメージによって脳神経のコントロールしα波やθ波の状態になるので変性意識状態特有の幻視、幻聴、超感覚などが起きるからでしょう。

（βエンドルフィンの過剰分泌は幻覚、幻聴を起こす。θ波状態の脳もしばしば幻覚を見ます）

瞑想ではこれらをよく「魔境」と言いますがこれは一種の変性意識状態でしょう。幻覚や幻聴と言った神秘体験を伴うのがわかりやすい例です。

クンダリーニヨガでは瞑想でいう「魔境」は覚醒の第一段階にすぎないと言う人すら居ますが・・・

ただしクンダリーニには魔境とは違って「クンダリニー症候群」呼ばれるものがあり、症状は自律神経失調症のようなものでおそらくは変性意識状態のコントロールが効かなくなってしまう事で起きると思われます。

この手の分野では頻繁に目にする「宇宙エネルギーと一体になって～」なんて言葉がありますが、あれはあくまでもそういったイメージが変性意識状態に入るトリガーとして優秀なだけであって実際によくわからない高次元の何かと繋がるわけありません、っつーか俺はそういうスピリチュアルな物は一切信用しませんｗ

（宇宙とかでかくて人間が知りうる自然の中でも最強なのでその手のイメージが湧きやすいってことだと勝手に思ってる）

こんな事を言うと多方面からお叱りを受けそうですが、瞑想やクンダリーニヨガの目指すモノってぶっちゃけると「脳を自在にコントロールしてナチュラルハイで気持ちよくなっちゃう手法の会得」ですよねｗ

瞑想

瞑想は外の情報を遮断し、意識をうちに向ける・・・というゾーン到達に欠かせないメンタルトレーニングです。

人類は過去の蓄積から起床時は常に緊張状態（β波）を保つようになっています。

これはいつ襲われるかわからない原始的生活においては重要ですが、現代に置いてはむしろストレスの原因になっています。

スポーツのシーンでもそれらの外的要因がストレスや迷いになりイメージ通りのパフォーマンスが発揮されないものです。

瞑想には呼吸法やイメージによって意図的にリラック（α波やθ波）脳に移行する効果があります。

キングダムの蚩尤が使う巫舞は歌と舞によって自己催眠をかけ意識を外界と断ち潜在意識に向けることで限界の力を引き出す奥義。

上は漫画の例ですが現実の世界でも昔の人はそれに劣らないテクニックを編み出しています。

呼吸法やルーティン

上記は漫画のたとですが、現実でも忍者は意図的に変性意識状態を作るテクニックを編み出しています。

例えば彼らは息長（おきなが）という特殊な呼吸法を用いますが、この呼吸法を使った状態の彼らの脳波を測定したところ『眠気をしめすθ波が出ているのにリラックスや集中力が最も高まるα2波（9～11Hz）の通称ミッドα波が出ていた』のです。

これがどんな状態かと言うと、体は休息モードに入りリラックスしているのに集中力はMAXでストレス耐性バフもかかっている状態です・・・チートかよ！ｗ

忍者はこのような呼吸法や九字護身法（臨兵闘者～のやつ）を使って敵地潜入やスパイ活動の際にメンタルケアをしていたんだとか。

九字法はおそらく集中力やリラックス脳を作るためのルーティンとして設定しているのでしょう。

▲喧嘩稼業の忍術・古武術の梶原修人は摩利支天の真言と九字法のルーティンでテンション調整をしている。

ただし忍者の例は若干特殊ですね、呼吸法だけで変性意識状態に入ってしまっているので瞑想とか要らないじゃん・・ってなってしまいますｗ

とは言えルーティンはプロのアスリートも使っている重要なテクニックなのは間違いありません。

五郎丸選手が忍者の印を結ぶのは有名ですね。

これは印を結ぶ動作事態に意味があるわけではありません

ルーティンは「ジンクス」と勘違いされますが験を担ぐこと事態に意味はありません、それらで得られる所詮プラセボ効果です。

重要なのは「レゾナンス状態」と言われる迷いなどの外的要因によるストレスから解放され集中状態に入るためのトリガーにすることです。

トリコのアルティメットルーティーンは圧倒的な自己暗示と自信、超集中力によって成功のイメージを作り上げるテクニックだ。

この状態は「レゾナンス呼吸」によって再現が可能で、忍者の息長（おきなが）と比べれば圧倒的に簡単なので初心者向きです。

最近よく耳にするものでは「マインドフルネス瞑想」なんかも似たような状態を作るテクニックですね。

へミシンクなどの音源を利用

ヘミシンクとはロバート・モンローという方が研究した特定のサウンドパターンで人間の意識を様々な状態へ導くオーディオ・ガイダンス技術です。

簡単に言うと左右の耳から違うHzの音を聞かせて意図的に左右の脳を同調させて変性意識状態に導く感じの技術です。

ただヘミシンクは「体外離脱体験」の為によく使われたりする面もあるので金縛り体験等をまれにする人の中にはあわない人もいるようです。

ここには貼りませんがyoutubeで「ヘミシンク」とか「θ波」とか検索するとそれっぽい音源がすぐ見つかります。

最近流行りの「ASMR」なんかも人によっては特定の音がトリガーとなって脳が気持ちの良い状態に誘導されえるので使えるかもしれませんね～（知らんけど）

ゾーン まとめ

つまりスポーツなどで見られるゾーンとはなにか？

「ストレスから解放され自身の潜在能力を遺憾なく発揮できる状態」であり、なんらかの要因で「神経伝達物質の効果で超感覚」を起こしている状態と言えるでしょう。

悪い言い方をすると

「自分の脳内で完結する超ドーピングモード」

ですね。

ほとんどの場合が偶然何らか要因でゾーン体験をするため超常的な奇跡体験のように言われているようです。

まあ、仕組みがわかった所で簡単に会得できるものではないわけですが・・・ｗ

▲とりあえず無難なマインドフルネスをオススメしとく！