【駅直結温泉Vol.002】秋田の山奥にある名湯「クウィンス森吉」へ!
目次
前回の記事では長良川鉄道にある駅直結の温泉の話題を取り上げましたが、今回は東北地方にある駅直結温泉に行ってきました。
⇒【駅直結温泉Vol.001】長良川鉄道で行く!岐阜には「駅から徒歩0秒の温泉」があるぞ!
⇒【駅直結温泉Vol.003】赤城山や足尾帰りに最適。わたらせ渓谷線の「水沼駅温泉センター」
そして今回の舞台は秋田内陸線。
地元民か鉄道に詳しい人でないとピンとこない路線かと思いますが、旅行の玄人も唸るなかなか渋い観光地が点在するエリアとなっています。
秋田内陸線って?
秋田内陸縦貫鉄道株式会社が運営している路線です。
JR田沢湖線の角館駅とJR奥羽本線の鷹ノ巣駅を結んでいます。
もともと国鉄だった路線が昭和の終わりごろに第三セクターに転換されたよくあるタイプの路線ですね。
沿線の人口が少なく車社会である地方のローカル線なので経営は厳しい状態が続いています。いつ廃線になってもおかしくないでしょう。
もともとは沿線にある有名な銅山「阿仁鉱山」への人や物資の運送に利用されてきた路線なので、その鉱山が閉鎖されれば……お察しのとおりお役御免なわけです。
いろいろな施策や外国人観光客の呼び込みに力を入れていますが赤字続きで何ともいえない状態になっています。
なので現役の鉄道として動いている今の内に沿線の観光をしておこうと思ったわけです。
出発は角館から
角館は首都圏からだと秋田新幹線一本で行けますので、実はアクセスはかなり恵まれています。
武家屋敷やシダレザクラなど全国的に有名な観光名所がありますし、すぐ隣の大曲では大きな花火大会もありますからね。
とはいえ冬の東北はとにかく寒いです。
雪も容赦なく降り積もりますし、しっかり準備しないといろいろ見て回るのは大変かと思います。
武家屋敷通りもご覧のような有様です。
足元は溶けかかった雪でぐちゃぐちゃですので、冬に観光するなら防水ブーツなどを着用しておくことをオススメします。
それでも雪で覆われた武家屋敷もなかなか見ごたえがありますし美しかったので来た甲斐はありました。
【余談1】秋田内陸線は車内Wi-Fiがある
秋田内陸線はなんと車内でWi-Fiが利用できます。
外国人旅行者を誘致するために、まずはインフラ環境を整えたということでしょうか?
この設備のおかげで私の手持ちのiPadもネットに接続することができました。
(ただし回線速度はかなり遅かったです・・・)
こういう小さな気配りが旅行者にとっては嬉しかったりもするので、ぜひ他の路線でも積極的に整備して欲しいと思いました。
駅直結温泉は阿仁前田駅にある
さて話を温泉に戻しましょう。
今回お世話になる駅直結温泉施設は「クウィンス森吉」という場所になります。
クウィンス森吉には宿泊施設もあるので、ここを目的地として温泉を利用するという選択もできます。
そんなクウィンス森吉は阿仁前田駅に併設されています。
秋田内陸線はいろいろなタイプの乗車券があります。
上の画像の切符は今回の温泉巡りに使った「片道寄り道きっぷ」というものです。
通常の切符では途中で下車すると再度切符を購入しなければならないのですが、この切符は1度だけ途中下車ができるという特典がついています。
それでいて単純に乗り通すよりも安い価格で購入できるので、今回のような乗り通すついでの沿線立ち寄りにはピッタリの切符なんです!
この他にも沿線の温泉施設までの施設利用料入りの往復きっぷなどもあるので、アクセスの便利な角館を拠点にする場合は往復きっぷを選択しましょう。
秋田内陸線は本数が少ない
当日は角館駅を9時50分に出発する普通列車で阿仁前田駅を目指しました。
(この日の乗客は自分以外では地元の方2~3名と外国人旅行者2名のみでした。)
とにかく本数が少ないので乗り遅れないように時間厳守で行動したほうがいいと思います。
ちなみにこの便の後11時台に発車する「急行もりよし」は停車駅の少ない速達列車になります。
急行券が別に必要ですが、320円と安いので興味のある方は乗ってみるといいでしょう。
(以前はAN8900型というちょっといい車両が使われていたのですが取りやめになってしまったので残念ですね。)
普通列車でも角館~阿仁合までの間はアテンダントさんが添乗していて車内販売もしてくれますのでお土産を買いたい方はぜひ利用しましょう。
駅を降りたらすぐ施設の受付がある
角館から列車に揺られること約2時間・・・。
阿仁前田駅で下車すると駅の出口に行く間に建物を通ります。
駅からみてすぐ左側にエントランスがあるので、そこからすぐクウィンス森吉に立ち寄ることができます。
玄関で履き物を脱いで受付を済ませます。
地元の方の長靴がたくさんならんでいましたね。
ちなみに入浴料は400円でした。
タオルや館内着の類はありませんので自分で持ち込むか売店で購入していきましょう。
大浴場の様子
※室内は撮影不可なのでご了承ください。
脱衣所は広くもなく狭くもなく普通といった感じです。
ロッカーは100円を入れて戻るタイプのものです。
浴槽は内湯2つ露天1つの計3種類でした。サウナはありません。
洗い場は10か所でスペースは広め。シャンプー・リンス・ボディソープは備え付けがあります。
内湯は半円型のコンパクトな浴槽とL字型の広い浴槽です。
露天は長方形で10人くらいは入れる大きさでした。
いずれの浴槽も塩基系の析出物が大量にこびりついており見た目のインパクトはなかなかすごいです。
そしてお湯は・・・かなりしょっぱいです!
まるで暖かい海水に浸かっているような感覚です。かなりのアルカリ泉であることがわかります。
このことから切り傷や皮膚炎などに有効といわれています。肌荒れ気味の方は湯治で利用しても面白いと思います。
当日は気温が低く雪が降ったこともあり露天風呂は出入りするときに気温のギャップがきつかったです。
途中で温度を測りに来たスタッフの方も「今日はぬるいね~」ということを言っていたので本当はもう少し温かく入れたのかもしれません。
大衆食堂もある
2階に上がると休憩スペースと食堂があります。(全席喫煙可です。)
以前は食事の会計はその場で支払う形態だったようですが現在はまとめて1回の受付で支払うように変更されています。
今回は豚もつ煮定食を注文してみました。
やわらかく味が染みたモツが食欲をそそる一品でおいしかったです。
この他にもラーメンやカレーなどの軽食もあります。
お昼の営業は14時までなので利用時間にはご注意ください。
【余談2】北秋田では馬肉を食べる文化もある
クウィンス森吉の近くにあったお店をぶらぶらしていたら、近くの商店でみかけないおかずを発見しました。
その名も「馬肉のホルモン煮」。
興味本位で購入してみましたが、食べてみると甘辛い味付けが濃いめについているやわらかいホルモンという感じでした。
おそらくこのまま食べてもいいのでしょうけど、野菜の煮物など何かの料理に使ったりする感じなのかな~とも思いました。
もともと炭鉱の町として栄えた北秋田の街では炭鉱夫の滋養食材として馬が食べられてきた文化があります。
今では産業としての炭鉱は役目を終えていますが、こうして食文化はひそかに受け継がれているんだなぁとこういうところでも実感しました。
【まとめ】都心から意外と行きやすいのに秘境気分が味わえる温泉でした。
秘境とは一般的に人が訪ねにくい地のことを指すので「行きやすい秘境」という言葉は矛盾してしまうけど、それでもひなびた感じの良質な温泉を手軽に楽しめるという意味であえてこのように表現することにします。
温浴施設としては大した娯楽もないところですが、それがまたいい!
ゆっくりお風呂に入ってその後はビールでも飲みながらダラダラと横になるだけで日頃のたまった疲れも吹き飛びます。
日頃の忙しい仕事や家事のことは忘れて、ぜひ時間に縛られない休息を求めにきてはいかがでしょうか?
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この記事を書いた人
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こんにちは、samaconです。
主に【旅行・鉄道・料理・デジモノレビュー】中心に記事かいてます。
【生年月日】昭和の終わり
【在住地】田舎(千葉)
【これまで】大学卒業後サラリーマンとして電気屋へ就職。そこそこ楽しかったが休みがなさ過ぎて精神的に脂肪していたところで退職してフリー化。
【趣味嗜好】
・鉄道⇒最終的には全線完乗が目標。
・ギター⇒結婚式の余興レベルならなんとか。
・草野球⇒人足りなかったら喜んで行きます。
・デジモノ収集⇒最近はメルカリで断捨離しまくってます。持ってても仕方ないのでね……。
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