【買ってみた】8,000円のLEDプロジェクターはどれくらい使えるのか検証した!
目次
プロジェクターも安くなったもんだ……
今から数年前。私がまだ某大手家電量販店で店員をしていたころ、パソコン向けのプロジェクターの販売を担当していた時期がありました。
当時は本体も大きく水銀ランプでパァーっと明るく映すタイプのものが主流で、蛍光灯を付けた明るい会議室でも使えるものがビジネス用途ではオススメですよ、なんて説明して販売していました。
それからしばらくすると今度は小型化の波が訪れます。
光源が水銀ランプからLEDに代わり、ランプ交換の手間やメンテナンスのしやすさをウリにしたものが増えてきました。
本体も小型になり、明るい室内では厳しいけど、ちょっと暗くすれば十分映るタイプのモノが人気になったりもしました。
しかし当時を振り返って思うのは「値段高すぎじゃね?」ということです。
利便性や購入者層を考えれば妥当なところなのかもしれませんが、安いものでも1台7万~10万円程度(ぼったくりじゃぁ~)し、デジタルガジェット好きな私としても「手ごろなおもちゃ」としてサクッと買えるような価格ではありません。ましてやすぐ飽きそうなアイテムに10万はちょっと無理かな……。
と思っていました!
今はそんな時代じゃなかったんやな……ちょっとこれをみてくださいよ↓
某大手通販サイトで「プロジェクター」と検索した結果です。
え、1万円……、7,000円台……!?
マジかよ・・・。
今ってプロジェクターこんな安いの?!
しかもランプ交換不要のLEDタイプの小型プロジェクターで1500ルーメンって超ヤバイじゃん!
当時私が売ってたN●C製の超画期的な小型薄型LEDプロジェクター(500ルーメン)が8万くらいだったのに!
これはおもちゃとして1台押さえておかねばなりませんね(謎理論)
というわけで買ったよ!↓のヤツ買いました!なんとなく評価よさげで1600ルーメンだったからね!
待つこと2日でさっそく届いたのでいざ開封!ひさしぶりにすっげ~ワクワクしてるw
開封の儀
パッケージ自体は予想してたより小さかったです。サイズ感としてはお歳暮でもらうクッキーの詰め合わせの箱くらいかな。
それにしても異様に軽い。本当に中身詰まってるのか?ってくらいに軽い。
パッケージ内容的には超質素。リモコンとケーブルだけ。説明書はアメリカ語で読んでも意味なさそうだったのですっ飛ばし。ちなみにリモコン用の単四電池は入ってなかったです。
続いてレンズ面!……ってレンズキャップないのかよ!!
どうやらこの製品には持ち運んで使うという概念は存在しないらしい。
排熱用の口や電源コードの穴はちゃんとしててちょっと安心。
だが入力端子がツッコミどころ満載だった!
なんでVGAはちゃんと表記してるのにUSBとHDMIだけ「U」と「H」やねんwwww
どんな略し方なんだよ!!!普通にUSBとHDMIって印字できるスペースあるやんけ!
お前電気屋行ったときに「すいませぇーん、Uのケーブル欲しいんですけどぉ~」って聞くんか?アホ丸出しちゃう?w
と心の中でツッコみながら電源コードを接続して電源を入れてみることにした。
電源コードをつないでスイッチを入れるとランプが緑色に点灯!
投影の儀
カーテンを投影面のところだけ閉めて日差しを遮った壁を用意。時間は8月の16:00という条件。
おぉ~~~!映った!それなりに明るいけど、なんかぼやけてるぅぅぅ~~!
いちおうレンズのところに調節リングがついててピントを合わせられるんだけど、調整がすごいシビア!全体にピントを合わせるのはたぶん不可能!
あと台形補正機能もついてるんだけど、ツマミで内部のミラーが動くだけの超原始的な構造なのでほとんど意味なし!
つーか排熱ファンうるせぇぇぇぇぇぇ!!!!ストーブファンヒーター炊いてるレベルの音がするぞ!
といきなり文句の三重奏なんですが、ピントさえ合えばそれなりにしっかり映ることもわかった。音はガマンして、どうぞ。
カーテンを開けてみる
スマホのミラーリング投影ができるらしいので早速試してみた。機種はASUSのZenfone3。プロジェクターの一番左端にあるUSB端子にケーブルでスマホをつなげるだけのお手軽さ。
いろいろ調べるとAndroidの場合は事前に「EZcast」っていうアプリを入れて、開発者オプションからUSBデバッグをONにするという準備が必要だった。
ちなみにこのプロジェクターの解像度は800×480というWindows95もびっくりの低解像度。
映した当初は画面が荒すぎて文字が判別不能だったが、拡大してみるとそれなりに読めるようになった。試しに時刻表を映してみる。
これくらい大きな文字ならプレゼン用途でも使えなくもないかなって感じ。この辺は資料の内容にもよると思う。
続いてiPad Air2をオプションのAVコネクタを使ってHDMI経由でミラーリングしてみた。
いったんカーテンを閉めてiPadで縦表示に。
すると途端にこじんまりとした印象になり、文字は小さすぎて判別不能。
拡大すると読めるようになるが、そこまでして使うシーンは一般家庭ではないかなぁ。
なにかの説明会やインストラクションなら活用できるかもってな具合。
再びカーテンONでスマホゲームを。
でも結局操作するときは手元の端末を見るし、一人でやってる時にスクリーンに投影する意味とは……みたいな感じになった。
大勢でワイワイやったり、対戦を公開でやったりするなら使えそうかな?
つづいてPS3をつないでtorne経由でテレビを映してみよう。
マチガイナイ。コレが正しい使い方だわ。
真ん中に大きさ比較のために扇風機(高さ50cmくらい)を置いてみたが、これで80インチ程度だと思う。
ちょうどサッカーW杯予選でオーストラリア戦の直前だったのだが、解説の松木氏の顔や字幕の文字が結構ハッキリ映っているのがお分かりいただけるだろう。
この後もサッカーの試合をプロジェクター越しで観戦していたのだが、迫力が段違い!
ファンの音がうるさいのを除けばテレビ視聴はかなり満足できる。
この分だと映画鑑賞にも最適だろう。ヘッドホンをしてしまえばファンの音も気にならなくなるし部屋を暗くして壁に映すだけだからセッティングも楽勝。
まとめ
私の感じた1万円以下の激安プロジェクターの適正は以下の感じ。
◎…最適 〇…使える △…微妙 ×…ダメ
種類 | 適正度 |
---|---|
テレビ・映画 | ◎ |
パソコン | × |
ゲーム機 | 〇 |
スマホ・タブレット | △ |
あとでこっそりノートPCもつないでみたんだけどやっぱり文字がつぶれちゃって使いにくい。拡大すればなんとか読めるけど、どうせ使うなら動画を流すか写真のスライドショー的な使い方じゃないとキビシイと言わざるを得ない。
逆に映像の投影はかなりしっくりくる。先も述べた通り解像度が800×480なので1080pの作品を映すとさすがに画面が荒っぽくザラザラした感じになるものの、そこまで違和感はなく十分ホームシアターとして機能するように感じた。
残念なのは音。小型の本体にくっついているスピーカーなので最初から全く期待していなかったが、やはりダメだった。
テレビならまだしも、映画鑑賞やゲームを楽しむ場合は別でスピーカーをつなぐことを強くおススメする。
それを踏まえた個人的な評価は70点。
思ったよりも小型で軽く、入力端子も豊富なのでこの価格なら1台あっても困らないかなと思います。
映画やゲームを迫力の大画面で楽しむという環境づくりならかなり適しています。
画面が少々粗いので残念ながらPCやスマホの画面を投影してプレゼンテーションをするのは難しいかと。
あと何度も言う通り排熱ファンの音が結構大きいので、そこを許容できれば買いでしょう!
【さいごに】激安プロジェクターを上手に使うコツ
プロジェクター本体と投影面の位置関係をできるだけ水平に保つ
さっきも言った通り、この価格帯のプロジェクターに搭載されている台形補正機能は内部のミラーを傾けるだけの簡素な機構になっている。
したがってスクリーンに対しナナメに設置してしまうと台形補正をしても画面全体のゆがみはどうしても残ってしまうし、なによりピントが全然合わない。
この点からプロジェクター本体の設置位置を工夫する必要がある。
具体的にはスクリーンなどの投影面に向かってイスやテーブルを使いながら高さを調節しよう。
投影面に向かって水平に設置できれば台形補正のつまみを使用せずに済むし、結果的にピント調整がしやすくなるからだ。
排熱ファンの爆音をカバーする方法を考えよう
今回購入した製品もウェブ上の説明では「最新の冷却システムにより普通のプロジェクターよりも低ノイズ」と謳われていたが、とても静音とは言えない排熱ファンの音。
これをカバーするには「鑑賞時はヘッドフォンやイヤホンをする」か「プロジェクター側に囲いを付けて音を抑える」というような工夫が必要になる。
個人的にはプロジェクター内蔵のスピーカーの性能が良くないので、別のスピーカーを付けることでファンの音も相殺され音質も改善できるこの方法がオススメ。
パソコン(プレゼン)には基本的に不向き
激安プロジェクターの大半は解像度が800×480以下のものだ。
したがってパソコンの画面を映すとかなり粗くなり、とても使えたものではない。
画像や映像を投影する目的なら問題ないが、文字を見せるような内容の場合は素直にビジネスプロジェクターを選んだほうがいい。
説明書きに「1080p対応」とあっても、あくまで入力に対応しているだけでありきちんとフルHDで出力できるわけではない。
どうしても文字を投影したい場合はかなりフォントサイズを大きく作りこむ必要がある。
間違ってもエクセルの表やワードをそのまま投影してはいけない。東京タワーのてっぺんから地上の車を探すような感覚になる。
この記事を書いた人
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こんにちは、samaconです。
主に【旅行・鉄道・料理・デジモノレビュー】中心に記事かいてます。
【生年月日】昭和の終わり
【在住地】田舎(千葉)
【これまで】大学卒業後サラリーマンとして電気屋へ就職。そこそこ楽しかったが休みがなさ過ぎて精神的に脂肪していたところで退職してフリー化。
【趣味嗜好】
・鉄道⇒最終的には全線完乗が目標。
・ギター⇒結婚式の余興レベルならなんとか。
・草野球⇒人足りなかったら喜んで行きます。
・デジモノ収集⇒最近はメルカリで断捨離しまくってます。持ってても仕方ないのでね……。
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