噂の貼り付け型Bluetoothスピーカー「TOUGHBEAT」を買ったので率直な感想を述べます。
今年の1月くらいにクラウドファンディングサイトを見ていたら目に留まった商品がありました。
「貼り付ける物体によって音質が変わるスピーカー」という触れ込みで開発資金を集めていたのがそのTOUGHBEAT(タフビート)でした。
筆者が支援者となって購入した時の価格は13,000円でした。
つい先日手元に実物が届いたのでさっそく試してみることにしました。
スピーカー本体に関して
パッケージに関しては横に引き出すタイプでなかなかシャレた作りになっています。
スピーカー本体にマグネットが内蔵されているので冷蔵庫や車のボンネットみたいに磁石がくっつく場所には本体だけで設置できます。
ガラス面やプラスチック面には付属の粘着マグネットシートを使って貼り付けることもできます。
※届いた時点で付属しているマグネットシートの粘着力が想定よりも弱く、落下する危険性があるので使わないで欲しいとメーカーから連絡がありました。
強度を改善したマグネットシートを後日郵送するとのことなので、今回は使っておりません。
接続方法も思い切った仕様でBluetoothのみ。有線ケーブルでは一切接続できません。
充電も同様にケーブルを差して充電ではなく、ワイヤレス給電方式(Qiと互換性あり)が採用されています。
ケーブル用のジャックが一切ないので高い防水性能を発揮できます!というのがウリのひとつなんですね。
本体サイズに関しては想定したくらいの大きさだったので特に文句ないのですが、操作音がチープだったのがちょっと残念ですかね。
あと充電用のワイヤレス充電器が意外と使いづらかったです。
なぜなら本体が横長なのに対し充電器は小型の円形をしているので、充電時にきちんと中央に載せておかないとバランスを崩しやすく、充電台からズレてしまうんです。
充電器の素材もスベスベのプラスチックで重量も軽くてすぐ動いてしまうので、ちょっとの振動や接触でも接点がズレてしまって充電が止まってしまうのはちょっとしたストレスに感じました。筆者がワイヤレス給電になれていないせいかもしれませんが……。
もう少し大きめに設計してくれたら使いやすくてよかったんですけどねー。
ちなみに購入してから初めて使う際に主電源のスイッチをユーザー自身で入れる必要があるので、そのスイッチの部分だけ裏側のマグネット部がくりぬかれた形となっています。
スイッチを入れて付属のパッチで塞いでしまえばいいし、物体との接着面なのでそれほどシビアに考える必要もないのかなとは思いますが、完全防水を謳っていたわりにはこのようなスキマができてしまうことに関してちょっと拍子抜けしてしまいました。
音に関して
このスピーカーの一番の使いどころはやっぱりお風呂なのかなと個人的には思っています。
幸いなことに自宅の風呂の壁(よその家もたいがいそうなのかな?)はどの面も磁石がくっつく仕様になっていたので、好きな場所に張り付けて楽しむことができました。
こんな風に天井もマグネット仕様なので、換気扇の横にさりげなくつけることもできました。
それで肝心の音のほうですが・・・
期待したほど低音は主張してこなかったものの、音の広がりに関しては一般的なお風呂場なら十分及第点をあげられる仕上がりだと感じました。
もともと音の響きやすい空間であることと、壁を伝わって音が出てくるギミックがそこそこハマっているようです。
ただシャワーを使うと音がほぼかき消されますので、風呂に浸かっている時に楽しむのがベストですかね。
たぶんロックやアニソンよりも、ヒーリングミュージック(温泉旅館や和食屋さんとかでかかってるBGMみたいなヤツ)との相性が良いんじゃないかと思います。
実際youtubeのBGM集なんかをかけて風呂場を暗くしたらそこそこ癒されましたよ。
使ってて気になったこと
しかし使ってみて初めて気づくこともありました。
例えば筆者はお風呂で使えるスピーカーにソニーの「SRS-X1」を所有しており、これまで何度も使ってきました。
↓コレです。
このスピーカーは単品で使うとモノラル再生になるので、ステレオで左右に音が振られている楽曲を聞くと不自然に聞こえてしまうという難点もあるんですが、そのデメリットを超越するほどの音の迫力と携行性の高さを発揮してくれます。
つまりどこにおいてもイイんです!
頭を洗う時はシャワーにかき消されないように音量を大きくしてシャンプー台のところに置いてもいいし、湯船につかっている時は頭のすぐ後ろにサッと置いてもいいんです。
そんな設置の自由度の高さもSRS-X1にはあります。
反対にTOUGHBEATは設置できる場所にどうしても限界があります。
一定のポイントから物体を振動させて音を広げる仕組みなので、ボーカルなどの入っていないBGMをなんとなーく聞かせてくれるのにはピッタリなんですが、ノリノリの曲を耳もとでしっかり聞きたい!という用途には少し不向きなのかなと感じました。
あと、タッチセンサーのおかげで雑に扱えないのもマイナスポイントのように感じました。
気を付けて触らないと曲を送ってしまったり一時停止してしまったりするので、やはり設置場所を頻繁に変えるような使い方は難しい気がします。
この手のスピーカーに万能選手はいませんので、どこかで妥協しながら付き合っていくしかないという悲しさはぬぐえませんね。
オススメの物体
TOUGHBEATは貼り付ける物体によって音がかなり変わってくるのですが、音質がわりと良くなるのが
「空洞部分が存在し、かつ密着させて設置可能な比較的大きめの物体」
であることがわかりました。
例えば段ボールの上に載せたときに、上から押さえつければそれなりに低音を感じられるようになりましたので、密着できるかどうかはカギになると思います。
かといって間にシリコンや滑り止め用シートなどを挟むと、せっかくの振動が吸収されてしまうのでとたんに音がペッタンコになってしまいます。
そんな「固めで空間があって密着度の高いヤツ」という都合のいいモノを探して家の中である程度調べた結果、そこそこ良かったのがキッチンでした。
「コンロの上の換気扇のところ」とか「冷蔵庫」とか「システムキッチンの収納扉」とか、マグネットがくっつく箇所が多いのと、一定の空間を有している場所も多いのでキッチンでBGMを楽しむ際もオススメかなと思います。
まとめ
防水スピーカーでしっかり音楽を聴きたい方は無理して1万円以上出してTOUGHBEATを買う必要はないです。
1万円あれば防水がついてもっと迫力あるサウンドを奏でてくれるスピーカーはたくさんありますし、そういうのを求めている人がTOUGHBEATの音を聞くとそこはかとない「コレジャナイ感」を感じてしまうことでしょう。
実際私もTOUGHBEATとソニーのSRS-X1のどちらをよく使うかというと、TOUGHBEATを手にした今でも結局SRS-X1なんですよねぇ。
置き場所の自由さ、取り扱いの手軽さという点においてTOUGHBEATはもっともっと改良すべき点が多いだろうというのが、今のところの筆者の率直な感想です。
今後貼り付け材の改良や機能の追加されたバージョンアップ品などが出れば評価は変わってくると思いますが、今のところは物珍しさだけで実力が発揮できていないアイテムのような気がします。
100点で評価するなら30点くらいですね、残念ながら。
がんばれTOUGHBEAT!
この記事を書いた人
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こんにちは、samaconです。
主に【旅行・鉄道・料理・デジモノレビュー】中心に記事かいてます。
【生年月日】昭和の終わり
【在住地】田舎(千葉)
【これまで】大学卒業後サラリーマンとして電気屋へ就職。そこそこ楽しかったが休みがなさ過ぎて精神的に脂肪していたところで退職してフリー化。
【趣味嗜好】
・鉄道⇒最終的には全線完乗が目標。
・ギター⇒結婚式の余興レベルならなんとか。
・草野球⇒人足りなかったら喜んで行きます。
・デジモノ収集⇒最近はメルカリで断捨離しまくってます。持ってても仕方ないのでね……。
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