現役の高校生が大学の夜間部に進学するのはアリかナシか
- 編集者の雑記
- 投稿者:aokage | 2018年5月31日
目次
お世話様です、aokageです。
さて、5月ともなると新たに大学生になった人たちは我が世の春でしょう。その一方で、新高校3年生の人たちは自分の進路について真剣に考え始めなければいけない時期かと思います。
もう少し勉強しよう、と大学進学を選んだとして、大学選びにはなかなか頭を悩ませるでしょう。
大学にいる時間は、ほんとうに貴重です。しかしその貴重さは、「卒業した後に気づく」というとても質の悪いものだったりします(笑)
私は、大学の夜間部を卒業しています。夜間部と言っても「フレックス」と呼ばれる昼夜を問わず授業が選べる学科形式で、卒業単位124単位のうち、60単位は昼の学部を取っても良いという形でした。結局昼の単位は12単位だけで残りは夜間授業だけで卒業したのでほとんど夜間部と言っていい生活形式でした。
本日はそんな私が「大学の夜間部」とはどういうものなのか、どういう生活になるのかを少し語ろうと思います。
※かつてを思い出しながらなので、多分に自分語りを含みます。
なぜ、筆者は大学の夜間部を選んだのか
すごく端的に言えば「大学受験に失敗した」というのが大きいですね。というのも私家庭の事情で高3の途中まで就職するつもりでいたもので、受験というものをナメていた。実際夏あたりには郵便局の職場見学とか行ってましたから。当時郵便局は公務員の仕事でしたし。したらば夏の終わりの就職先どこにしようか、というところで「かしこい大学に行けるなら大学行っても良いよ」=ちゃんと大学行くなら大学行っても良いよ、という親の温かい言葉がありまして、んで受験したんですよね。早稲田大学と明治大学だけ。
当然落ちるわけで、どうせ大学に行くならできるだけ借りる奨学金を低くして、学費の安いところを選んで、んでもって元々働くつもりだったし働きながら大学行けるところにしよう、という感じで選んだのが夜間大学なわけです。
夜間大学を選ぶメリット
- 学費が安い
→自分のケースだと、年間の学費は昼学部の7割くらいで済んだ。年間130万→80万くらいだったかな?教科書は昼と同じものを使うので据え置きだけど。
- ゼミ必須ではない学部も多く、卒論なしで卒業できることが多い
→ギリギリまで仕事、就職活動、遊びに専念できる
- メインの授業、必修科目等が夜に寄る為、朝~夕方までの時間がフリー
→仕事、自分の勉強、遊びに専念でき、活動スケジュールが世間と少しズレるので電車のラッシュにも巻き込まれにくい
- 必ずしも昼間働く必要はない
→高校の夜間部とかだと「就労必須」だったりするが、大学はそうではない所も多い。じゃぁなんで夜間部選ぶんだよ、というツッコミが入りそうだが、フレックスコースのような「昼夜一体型」学部ならば、卒業証書も「○○学部」のみで一緒なので昼卒なのか夜卒なのかも卒業後は変わらない。なので大学の勉強は夜にまとめてする!という人はあえて夜間を選ぶメリットもある
夜間大学を選ぶデメリット
- サークルやインカレなどに積極的に関わるのは難しい
→大学の夜間部を選ぶと、学内サークルなどが活動している時間帯に授業を受けることになるため、積極的なサークル活動は難しい。いわゆる「普通の」サークルに入ってガンガン遊んでしまうと単位が足りなくなる可能性大。よって、サークル活動で大学生活を充実させたいのならば、夜間部は避けるべし
- 大学4年時も結構な頻度で大学に通うことになる
→1~2年時に授業詰め込んで一生懸命やって、4年時はゆっくりするぞ!というのは夜間部の場合難しい。私の居た大学の場合だと夜間時間帯は6、7限の1日2コマしかなかった。当然毎日どこかしらに面白い、興味のある授業が散らばっているわけでもないので、「本当にやりたい授業」を選んでいくと空きが出来やすく最終在籍学年まで単位が結構残る。ちなみに私は最終の4年時にも32単位残ってました。(通常は4単位とか8単位くらいの「週に1~2回だけ授業がある」単位だけ残る場合が多い)
- 学内での友人関係を広げにくい
→夜間部だと現役学生の割合は半分くらいで、残りの半分は高卒で働いてた社会人さんとか、子育てを終えたママさんとかの「圧倒的年上」が多い。いろんな友達作るぞ!とポジティブになれればなんとかなるかと思いきや、社会人学生、ママさん学生は「ストイックにガチのガチ」の為、友達になろう!とか言える雰囲気じゃない。彼らは「勉強オンリー」で来ているし。
そして最初の半分の現役学生も3割位はこの「ガチのガチ」の為、友達候補は全体の3~4割ほど。ちなみに私も「ガチのガチ」の部類だったので、あまり友達は作らなかった。
また余談だが、「夜間部」に位置する「完全に夜型」の学部は法律で留学生の受け入れを厳しく制限(永住資格等があること)しているので、外国籍の友達を作るのも難しい。
筆者は夜間部の学生生活をどう過ごしたか
私は冒頭に書いたとおり「フレックス」タイプの夜間部(経営学部)だったので、昼も夜もどちらの授業も取れる学部に居ました。
仕事とサークルの兼ね合い
しかし私は基本的に「できるだけ金銭面を親を頼りたくない」というスケールがあったので、日中は時給の良いバイト、残業のない契約社員として過ごしていました。少し奨学金も借りたのでガツガツ働くこともなく、年収は150~180万くらいだったと思います。でもサークルにも入ってました。「夜間部のテニスサークル」と「放送学研究会」というやつで、放研の方は人数の多いマンモスサークルだったのでフレックスコースを取っている仲間も多くサークル自体がほぼ24時間可動、これも結構楽しんでやっていましたね。
ポイントは仕事に「接客業」や「イベント設営」などを選んだことです。これらは土日にガッツリ働く環境の為、平日に学生らしい余裕を作ることができます。夜間部だと土曜日の午前中に開講してくれる授業もあったりして、これらも上手く活用しました。
単位を取る
昼の単位も取ろうと思えば取れた(半分は昼の単位でも卒業できる制度だった)のですが、やっぱり昼間は稼ぎたいので昼の単位は他学部の履修による気分転換くらいの感じで取るのみでした。私の居た学部は合計20単位までなら他学部の授業でも卒業単位に数えてもらえたのでその制度を利用しましたね。12単位取って、文学部の日本古典文学と、近現代文学史で8単位、残り4単位はゼミのマネごとみたいな事ができる講義を取って「ゼミ体験」みたいな経験だけ積みたいな、という感じで。
夜中心の講義は、本当にその他の時間を作るのが容易です。実は大学入学時は税理士になりたかったのでその勉強もしてました。地味に2科目ほど合格もしています。税理士になりたかったのに簿記が絶望的にできないという弱点が露呈し諦めましたが(笑)これは私が税理士試験の勉強から逃げただけであって、「勉強する時間がない」わけではありませんのでお間違えなく。
ちなみに私は何日も寝ないで平気なスーパーマンではありません。上記の生活も文章で読むほどカツカツじゃなく、一人旅であちこちフラフラしたり、勤務先の人とお酒飲んだり遊んだり、大学の友人と朝までどんちゃん騒ぎする時間も全然作れました。
「夜間部は働き詰めで自由もないし苦しい」とよく他のブログで読みますが本当にその人夜間部出身なのかな?正社員とバイトと大学とサークルの4つ掛け持ち!みたいな追い込みプレーでもかまさない限りそれほどカツカツにはならないと思いますよ。確かに普通の文系学生に比べて自由度は減るかもしれませんが。
大学で「だらけたい」なら夜間部はやめとけ。充実させたいなら多いにアリ
週に4日は布団から出ず寝っぱなし。週に5日はサークル仲間でどんちゃん騒ぎして、どれだけ大学を上手にサボるか選手権。
そんなだらけた生活を夢見るなら、夜間学部は確かにオススメできません。てか大学に何しに行ってるの?という感じですし。わざわざ学費親に払ってもらってないでフリーターでもやればええやん、みたいな。
- 年収180万くらいの稼ぎ(親の扶養出るので注意!)
- 普通の学生比7割くらいのサークル体験
- 年3回の1週間一人旅
- 税理士試験2科目(途中で逃げた私のせい。税理士合格は物理的に不可能ではない)
- モンハン1500時間
- 生涯の親友1人&年1くらいでたまに会う友人3人
- 読書約160冊(年間40冊ペース)
- 奨学金による借り入れは4年間で120万で済んだ
これらは在学中の4年間で出来ました。確かに、社会人出身の人はこれだけ色々やるのは難しいかもしれません。
しかし現役による進学ならかえって普通の大学に進んでだらけるよりはるかに色々な体験ができるでしょう。夜間部は暗く、苦しい。なんだか昔のままの苦学生のような印象が今でもあるのかもしれませんが、私には貴重な4年間だったと思います。
個人的にも夜間部はオススメの学び方です。できればガチガチの夜間部ではなく、「フレックスコース」が選べる学部だと学べる幅も、時間を組む幅も大きく広がるのでよりオススメです。
なにより学費も安い。ゼミがない?卒論がない?ゼミも卒論もガチガチの真剣に書く学生は全体の何割なんですかね?面白い講義と、社会人体験みたいな働き方。それが出来ればゼミなんて私には不要でした。
もし今「夜間部」の進学を考えているのなら、考えてみましょう。箇条書きで十分。「作った時間でやりたいこと」「夜間部ではできなくなること」の2つを。夜間部で出来た日中の時間を「働く」以外の選択肢でも埋められるのが、「現役学生の夜間部進学」の特権です。
この記事を書いた人
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初めましての方は初めまして。そうでない方は、いつもお世話になっております。「aokage」と申します。
酒、煙草、読書、サバゲー、ゴルフ、アイドルマスターを愛する最近体重が気になり始めた30代メガネおじさん。
【自己紹介】
最終学歴:日東駒専夜間部
故郷:埼玉県美里郡
スポーツ:学生時代は野球(二塁)とテニス(ベースライン)。現在はゴルフとサバゲー
職歴:学生時代はチェーンのイタリアンレストランで副店長。家電量販店店員、広告制作会社を経て現在はしたっぱ広告系フリーランス
【趣味嗜好】
お酒:マッカラン、シーバスリーガル、イチローズモルト
煙草:CAMELナッツメンソールが廃番になってしまってからはキツ目のメンソールをウロウロ。現在はglo smooth fresh、IQOS メンソール
読書:10代の時に3年連続年間100冊読破を達成。学生時代は民俗学をニワカかじりで柳田国男、小松和彦を愛し、現在は川上稔に夢中
ゴルフ:ベストスコアは大学4年のときに86。今は平気で叩く100台に怯える日々。いわゆる「エンジョイアベレージ」です。
DR▷エース→M2(2017)10.5純正S
サブ→M1(2016)9.5speederⅡ661S
FW▷XR16(4W)純正Sシャフト
IR▷ミズノMP-66 modus3 105(R)
AW▷MP-R5 W 50° DGW
SW▷MP-R5 W 56° DGW
PT▷テーラーメイド スパイダー
サバゲー:バックアップ中心。愛銃は東京マルイ89式小銃、タナカワークスSIG P220陸上自衛隊仕様
アイマス:765ミリオンはクレシェンドブルー担当、346はトライアドプリムス担当。
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