せっかくの休日ですから、楽しみませんか?

半分の月がのぼる空 4/ 橋本紡


半分の月がのぼる空 4 (文春文庫)

レーベル: 文春文庫
著者: 橋本紡
イラスト: 山本ケイジ

春になり、裕一は進級のため、レポート三昧の日々。香里の手術はひとまず成功したものの、余命の長さはおぼつかない。やがて二人は『チボー家の人々』に各々の想いを託し、物語はクライマックスを迎える。病院という閉鎖された空間で見えない明日を信じて生きる少年少女たちを活写し、巡礼地をも生んだ現代の名作、遂に完結!


この作品には以下の成分が多く含まれております。
・ノンフィクションのようなフィクション
・チボー家の人々
・”Y”
・前を向いて生きる為の小説

本の読み終わる目安:2時間

3巻を読み終えた後、合い間をあけることなく4巻を読んだ。
読み終えた後、お風呂に入って思い返していると、ふと1巻の最後に書かれていた解説の飯田一史さんの言っていた意味を理解した。ストンっと何かが落ち理解に至った後は急に裕一と里香、みゆき、司に対しての思いへの涙が溢れてきたのと共に体の奥底から『やらなくては』というアツいものを感じた。

この本の紹介をしよう。

電撃文庫版の『半分の月がのぼる空』が出たころは僕は高校生だった。

部活は陸上部。恋も勉強も一切興味が無く、ひたすら陸上に明け暮れた。高校入学したての頃の僕は足は速くなかったので先輩たちにも期待されておらず、目立たず、活躍せずのごく普通の陸上部部員。

それでも幼稚園の頃から運動は得意で、中学も不真面目ながらも陸上部にいた僕は負けず嫌いだった。
軍隊のような部活生活をすごし朝から晩まで陸上にどっぷり使っていた僕は、高校二年生になってやっと結果を残せるようになった。

文化祭の手伝いもせずに部活動。中間期末テスト中も部活動。修学旅行中もエレベーターホールと階段で筋トレ、朝5時におきてホテル近くの公園で朝錬と24、365で陸上に明け暮れた。最終的には関東選手権まで出場し全国では60番目くらいの成績を取れるようになった。

大学になんとか入ってそこでも陸上を続けようとしたが、その大学には駅伝部しかなかった。
箱根駅伝でも毎年常連の大学だ。
長距離の素質はあったが短距離がやりたくてサークルに入ることにしたが、グラウンドが無かった。
お遊びのようなサークルが続き、練習しなくても大会で入賞できてしまう。それが逆につらくて辞めた。

その後バイトに明け暮れて週4~5で夜勤に入ったり、オンラインゲームに没頭したり、そこで恋をしたり、失恋したり。

就職活動はあまりせず、大手のゲーム会社に応募したが落ちる。
滑り止め(?)のような気持ちで内定を貰っていた会社にそのまま就職をした。
楽しいこともあったし辛いこともあった。そこでまた恋をして弄ばれたり、また恋をして彼女ができたりもした。

祖父母は早くなくなってしまった為、あまり思いではないのだが祖父母代わりの叔母が何時も僕を気に掛けに来てくれた。
70を超えているのに毎日朝5時から仕事をして仕事が終わるとわざわざ会いに来てくれていた。
その頃は僕は会社で働くことがつらくて仕方が無かった。
落ち込み気味の僕に叔母は何度も会いに来て様子を見に来てくれて、たまにティッシュにお金を包んでお小遣いだといってよこすのだ。
もう20代後半のおっさんにお小遣いは無いだろうと思いながらも叔母の気持ちが素直に嬉しかった。

仕事を辞めた直後に彼女に振られ、仕事で体も壊していた為リハビリの毎日を送っていた僕のところに叔母が亡くなったと知らせが入った。
つい一ヶ月前にうちに泊まりに来てくれて肩もみをしてあげて「またね」って言って別れたのに次に会った時は火葬場だった。
訃報の知らせがあった時、転職活動の真っ最中で何度も何度も「大丈夫か?」「まだ就職できないのか?」と心配をずっと掛けていた叔母に対して数日前に転職が決まったことを伝えてなかった僕は謝罪の念で泣き崩れてしまった。

またいつでも会える。そう思っていた。
けれど、そうじゃなかった。

火葬場で冷たくなった叔母を前に泣きながら就職が決まったことを報告をした。
そうしたら、叔母さんのお姉さんが「知っとったよ」と教えてくれた。
ちゃんと叔母には伝わっていたんだという安堵からまた泣いた。

また仕事が始まり、前職とは全く違う職に付き、1年後独立する為に仕事を辞めた。

人の時間は有限であり、決して永遠に続くものなど無い。
永遠に続くかと思えるその一瞬も、同じではいられない。変わらずにはいられない。

遅くも早くも人は変わっていくのだ。
1分後、1日後、1週間後、1年後、3年後、5年後、10年後・・・・・・
同じ場所にはいられないのだ。

伝えたいことがある人がいるなら直ぐに、気持ちを伝えて欲しい。
そのかけがえの無い時間を悔やむことなく使ってもらいたいから。

1巻の最後。解説の飯田一史さんが解説ページで自分語りをしている文を読んで正直最初意味が分からなかった。
共感できる文は確かにあったが、違う説明の仕方があるだろうと思った。

今では分かる。その意味を。ネタばれをしないという意味で全く同じようには書けなかったが、僕の解説も間違っていないと思う。
あー。そうか。紹介するんだった。本を読んだ後じゃないと分からないな・・・。

うーん。でも、そういうことなんだ。
僕は思う。何年後かにまたこの本を必ず読むと。
だってこの本は過去を振り返る為ではなく前を向いて歩き始める為の本だから。


半分の月がのぼる空

この記事を書いた人

kiatu
kiatu
どうも、kiatuデス。

元『日本一の家電量販店』で責任者のようなことをしていた。

接客→営業→事務と職を転々としている1人のおっさん。

今は過去やったことの無いことに日々挑戦中。

 
【自己紹介】

生年月日:1984年8月15日
住まい:埼玉県
職歴:家電量販店員・大手通信キャリア法人営業・大手通信キャリア事務・大手製造メーカー購買事務

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