半分の月がのぼる空 2/ 橋本紡
レーベル: 文春文庫
著者: 橋本紡
イラスト: 山本ケイジ
生まれつき心臓がわるく、学校に行ったことがない里香に高校生活を味わわせてあげたい! 裕一はお菓子づくりが趣味の巨漢・世古口司やスケベな悪友・山西保、幼馴染み・水谷みゆきの協力を仰ぎ、たった一日のスクールライフ実現に向けて突っ走る。恰好悪く、必死で全速力の十代を描きあげた青春小説のバイブル、待望の第二巻。
この作品には以下の成分が多く含まれております。
・ノンフィクションのようなフィクション
・チボー家の人々
・ボーイ・ミーツ・ガール
・三重県伊勢市周辺
・無力感
本の読み終わる目安:2時間
小説で感動し鳥肌が立ったり、打ち震えたり、そういうのは今までに何度かあった。
恥ずかしい話で読んでいくうちに文字がにじんで読めなくなるという現象は生まれて初めてだった。
2巻にはたくさんの愛が溢れている。それは読み手にも伝わってくる。
裕一、里香と共に笑い喜び、悲しみ苦しむ。あぁ、僕は今この世界の中にいて第三者視点で一緒に過ごしているのだと感じた。
この本のどこにそうさせる力があるのだろうか。
1巻のところでも話したが人間の感情がそのまま表現されている。
醜いところだったり、弱いところだったり。他人には本当は見せたくない心の弱い部分がさらけ出されている。
もし、自分が裕一だったら・・・もし自分があの場所にいたら・・・等と意味の無い、たらればを考えてしまう。
あぁ、なんて自分は無力なんだ。なぜかそう思ってしまう。そういう頃が自分にもあったから、そう思ってしまうのだろう。
Remember when you were sixteen, seventeen.
Looking ahead?
How you know the next couple of years…they’d be great.
Just knew it.
I don’t feel that way no more.
作中に出てきた言葉です。
確かに、そうかもしれない。今がダメだとは思わないがあの頃は自分が世界の中心にいるような気がした。
何でもできる気がしたあの頃は何でも本当にできた。
辛いこともあったし、苦しいこともあった。でも未来は開けているものだと思っていた。なんとでもなると思っていた。
Remember when you were sixteen, seventeen.
思い出してみろよ。十六とか十七のころを。
Looking ahead?
楽しいことばっかりだっただろう?
How you know the next couple of years…they’d be great.
二、三年もしたら、すごいことがあると思っていたよ。
Just knew it.
ちゃんとわかっていたんだ。
I don’t feel that way no more.
だけどさ、今はもう、そんなふうには思えないんだよ。
ズシリときた。なぜだろう。分からない。良く分からないけどショックだった。
僕にはこれ以上この本の説明をネタばれをせずにすることができないので最後に、作中に出てくるチボー家の人々の文で締めさせてもらう。
「卑怯な振る舞いはぜったいに止めよう! 嵐に向かって突進するのだ! むしろ進んで死をえらぼう!
われらの愛は、誹謗、威嚇の上にある!
ふたりでそれを証明しよう!」
「命をかけてきみのものになる」
“R”
この記事を書いた人
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どうも、kiatuデス。
元『日本一の家電量販店』で責任者のようなことをしていた。
接客→営業→事務と職を転々としている1人のおっさん。
今は過去やったことの無いことに日々挑戦中。
【自己紹介】
生年月日:1984年8月15日
住まい:埼玉県
職歴:家電量販店員・大手通信キャリア法人営業・大手通信キャリア事務・大手製造メーカー購買事務
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